英語長文が「時間内に終わらない」「内容は読めるのに設問で落とす」という人の多くは、
そもそも速読のやり方を根本的に勘違いしていることが多いです。
速読とは
速く単語を処理すること
必要な情報を素早く見抜く力
もちろん、語彙の量は最終的には差を生み出すことがありますが、共通テストレベルの英語長文においては、必要な情報を素早く見つけ出すというのが、最も大切な力になります。
この記事では、受験英語において
- なぜ速読できないのか
- どこを読めばいいのか
- どう練習すれば速くなるのか
を、今日から使える形で解説します。
1. 英語長文が速く読めない本当の原因
1-1. すべての英文を同じ重さで読んでいる
多くの受験生は、
- 1文目も
- 10文目も
- 具体例も
- 結論も
すべて同じ集中力で読もうとします。
しかし、英語長文には
読むべき文
流していい文
が明確に存在します。
ここを区別することが、時間内に問題を解ききることの第一歩になります。
1-2. 返り読み(日本語的読解)が習慣化している
The policy was criticized by many experts when it was announced.
これを
「その〜政策は/それが発表された当時/多くの専門家によって/批判された」
と後ろから戻って読むクセがあると、処理速度は激減します。
✅ 正しい読み方
主語 → 動詞 → 目的語の順に前から読む(スラッシュリーディング)。
今回の例文では、
「その〜政策は/批判された(/多くの専門家によって/それが発表された当時)」
と読むことが速読のコツです。
2. 速読の正体は「視線のコントロール」である
2-1. 全文は読まない(重要文だけ取る)
英語長文では、以下の文が特に重要です。
- 段落の 1文目(トピックセンテンス:その段落の見出し)
- However / Therefore / In contrast (ディスコースマーカー)などの後
- 筆者の意見が入る文
- 結論段落
逆に、
❌ 具体例
❌ 体験談
❌ データ羅列
は、速く処理してOKです。
設問でその内容を問われたいる場合は、必要な部分を注目して読みましょう。
2-2. 段落=1つのメッセージと捉える
速読ができる人は、
段落を「かたまり」で理解しています。
例:
Many students believe that studying longer leads to better results.
However, recent research suggests that study quality matters more than time spent.
訳:多くの学生は、長時間勉強することが、よりよい結果をもたらすと信じている。
しかし、最近の研究では、勉強の質が時間よりも重要であると主張している。
👉 この段落の要点は
「勉強時間より質が重要」
1文1文を訳さなくていい。
段落ごとに要点を抽出できれば、読むスピードは一気に上がります。
3. 英語長文速読の具体テクニック3つ
3-1. ディスコースマーカーを合図として使う
ディスコースマーカーとは、文章同士のつながりや関係性を示す単語・フレーズのことです。
ディスコースマーカーについてもっと知りたい人はこちら英語長文のコツ:ディスコースマーカーで流れをつかむ
以下の単語は、必ず注目してください。
- however(逆接)
- therefore(結論)
- for example(具体例)
- in contrast(対比)
- as a result(結果)
👉 こうした語が出た瞬間、視線を止める
それ以外の部分は、
「そういう話ね」と流してOK。
3-2. SV(主語+動詞)だけ先に取る
速読では、まず
- 誰が(S)
- 何をした/どうである(V)
だけを高速で押さえます。
例:
The rapid development of technology has changed the way people communicate.
✅ 先に掴む
- S:The development of technology
- V:has changed
「技術の発展が、何かを変えた」
→ 詳細は後で補う
これができると、文処理が高速でできるようになります。
3-3. 設問を先に見て読む目的を持つ
特に共通テストでは、
- 主張はどこ?
- 理由は?
- 具体例は?
と聞かれる場所がほぼ決まっています。
先に設問を見る
「どの情報を探すか」決めて読む
これだけで、
読む量は 体感で半分以下 になります。
4. 速読力を上げるための正しい練習法
4-1. 和訳しない練習をする
全文和訳
内容要約(日本語1文で)
毎回
「この段落は何を言っている?」
と要点だけ言語化してください。
4-2. 時間制限を必ずかける
- だらだら読む → 速くならない
- 3〜5分で読む → 脳が適応する
✅ 最初は雑でOK
✅ 正確さよりスピード優先
スピードを上げてから、精度を調整します。
5. 英語長文速読でよくある誤解
5-1. 単語力が足りないから遅い
→ 単語は「推測」で補える。特に大学入試二次試験の英語長文では、見たこともないような単語が多く登場します。注釈があれば問題はないのですが、ない場合「意味を推測して読む」力がとても大切になってきます。
普段の練習から、わからない単語の意味を推測する訓練をしておくとよいでしょう。
5-2. 文法が完璧でないから無理
→ 完璧な理解は不要です。もちろん文法知識0では、読むことができませんが、ある程度の文法事項(「名詞の直後の~ing, ~ed, 関係詞は直前の名詞に説明を加える文法だな」くらい)があれば長文を読むことができます。
重要なのは、この文法はどのような役割を文の中で果たすのかを抑えて勉強することです。
まとめ
今回は、英語長文の速読について、正しい勉強法や意識しておくポイントを整理しました。
「時間内に解けない」というのは、多くのじゅ県政が抱える悩みだと思います。
できることから一歩ずつ、素早く情報を抜き取る技術を習得していきましょう。
他の科目の勉強法・英語の得点アップのコツをさらに学びたい人はこちら
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