英語長文のコツ:ディスコースマーカーで流れをつかむ

長文読解が苦手な人の多くは、「単語は読めるのに文章全体の流れがつかめない」という壁にぶつかります。その原因の7割は、ディスコースマーカー(論理マーカー)を見抜けていないことにあります。
ディスコースマーカーを理解できれば、文章の構造が“地図のように”見え、どこに筆者の主張があるのか、どこが例なのか、どこが対立なのかが瞬時にわかります。
本記事では、共通テスト~大学入学二次試験まで幅広く使える「ディスコースマーカー一覧」をお届けします。
一般的でないものも含めると、相当な数になりますので、まずはマーカーが引いてあるものだけでも覚えてみてください。

目次

1. ディスコースマーカーとは何か

ディスコースマーカーとは、文章同士のつながりや関係性を示す単語・フレーズのことです。
例:

  • however(しかし)
  • therefore(したがって)
  • for example(たとえば)

これらは、英語の文章を読むうえで 「方向転換のサイン」「筆者の意図のヒント」 を与えてくれます。

1-1. ディスコースマーカーが重要な理由

① ロジック(論理構造)が見えるようになる

長文は論理的につながっています。
逆接 → 主張
譲歩 → 主張
因果 → 結論
例示 → 説明
といった構造があり、ディスコースマーカーを拾うだけで「文章の設計図」が見えます。

② 設問の根拠を見つけやすくなる

大学受験の読解問題では、

  • 主張
  • 理由
  • 反論
    が頻繁に問われます。
    これらはディスコースマーカーの付近に現れることが多く、答えの発見速度が一気に上がります。

③ 読むスピードが劇的に上がる

文を一文ずつ読むのではなく、
「この後に例が来るな」
「ここは対立だから筆者の本音はココだ」
と予測しながら読めるため、効率が段違いです。

2. ディスコースマーカー完全分類

2-1. 逆接・対比

逆接や対比、譲歩を表す文では後半部分が重要な筆者の意見であることが多いです。

〇逆接を表すディスコースマーカー

  • however しかし
  • but しかし
  • nevertheless それにもかかわらず
  • in spite of / despite ~にもかかわらず
  • conversely 反対に
  • still それでも、やはり
  • yet それでも

〇対比を表すディスコースマーカー

  • while / whereas 一方で
  • on the other hand 他方で
  • in contrast 対照的に
  • unlike ~とは異なり
  • as compared to ~ ~と比較して
  • not A but B AではなくB

〇譲歩を表すディスコースマーカー

  • although / though ~だが
  • even though / even if ~だとしても
  • regardless of ~にもかかわらず
  • with all / for all ~だが

2-2. 例示・言い換え

例示や言い換えのディスコースマーカーは、英文構造の基本「抽象→具体」の抽象部分にあたる内容を推測するために非常に役に立ちます。
長文のなかでイマイチよくわからない部分(抽象部分)があった時、近くに言い換えや例示(具体部分)がないか探してみましょう。

〇例示を表すディスコースマーカー

  • for example / for instance 例えば
  • such as ~のような
  • :(コロン) 後ろには具体的な例や説明が入る
  • including ~を含めて
  • take ~ as an example ~を例として

〇言い換えを表すディスコースマーカー

  • in other words 言い換えると
  • that is (to say) すなわち
  • in short / in brief 要するに
  • namely すなわち

2-3. 追加・並列

andを代表とする追加・並列のディスコースマーカーは、プラスマイナスのイメージが同じものを追加、列挙していることがほとんどです。何と何が並列なのかを意識して読むようにしましょう。

〇追加を表すディスコースマーカー

  • and そして
  • also ~もまた
  • in addition / additionally 加えて
  • moreover / furthermore さらに、その上
  • beside ~に加えて

2-4. 原因→結果

出来事の因果関係(何が原因で、何が結果か)を読み取ることは、長文においてとても大切です。常に意識して読むようにしましょう。

〇原因を表すディスコースマーカー

  • because / since ~なので
  • because of ~ / due to ~ ~が原因で
  • now that 今や~なので
  • on account of / owning to ~のために

〇結果を表すディスコースマーカー

  • as a result / in consequence 結果として
  • so / therefore / thus だから、したがって
  • hence それゆえに

〇結論を表すディスコースマーカー

  • in conclusion / in summary 結論として
  • to sum up まとめると
  • in the end 最後に
  • eventually 結局、最後には
  • in all 全体として

まとめ

ディスコースマーカーを理解することは、英語長文読解の“裏技”ではなく“正攻法”です。
これを押さえるだけで、文章の構造が見え、読解スピードも正確性も劇的に向上します。
今回紹介したもの以外にも、ディスコースマーカーはたくさん存在します。興味がある方はぜひご自身で調べてみてください。
受験・テスト対策についてもっと体系的に学びたい方は、こちらの総まとめ記事

ここまで読んでいただきありがとうございます。Study Hack Lab では、学び続けるみなさま、受験生のみなさまに向けて、勉強・習慣化・受験対策に関する有益な情報を提供しています。ぜひ他の記事もご覧ください。

📘科学的勉強法

効率よく学びたいあなたへ

エビデンスに基づいた学習理論を紹介します。

⏱習慣化の技術

習慣化に努めるあなたへ

「続ける仕組み」を脳科学・心理学的観点から紹介します。

🎯 受験戦略

受験生のあなたへ

受験に役立つテクニック、知識を筆者の経験を含めて共有します。

目次