【図解付き】無機化学:結合の種類と性質まとめ

無機化学を勉強し始めるにあたって、「化学結合」についての理解はとても重要です。

  • 無機化学の性質問題
  • 融点・沸点の比較
  • 配位結合・錯体についての理解
  • 共通テストの知識問題

など、無機化学全体を見通すうえで重要になっています。

今回は、化学結合に関する必須知識をわかりやすくまとめました。
これから無機化学を勉強する・無機化学をもう一度復習したいみなさまの役に立つ記事となっています。

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1. 化学結合について

1-1. 化学結合の種類

化学結合とは、原子・分子・イオンなどの粒子の結びつきの総称です。基本的な化学結合には3種類あり、構成元素の種類によって変化します。

  • 共有結合:原子間で電子対を共有する結合
  • イオン結合:陽イオンと陰イオンの間にはたらく静電気力クーロン力)による結合
  • 金属結合:金属原子の価電子が自由電子として動き回ることでおこる結合

1-2. 化学結合の見分け方と特性

先ほど、化学結合は構成元素により異なると学びましたが、ここではさらに深堀りして化学結合の見分け方について勉強しましょう。

  • 共有結合:一般に非金属元素同士の結合様式
  • イオン結合:一般に金属元素と非金属元素の結合様式
  • 金属結合:一般に金属元素同士の結合様式

〇共有結合

共有結合とは、原子が分子を形成する際に、それぞれが持つ不対電子を互いに共有することで電子対を形成するという結合様式です。この結合は、不対電子をもつ不安定な状態を解消するために起こります。

共有された電子対は共有電子対と呼ばれます。(原子間で共有されていない電子対は非共有電子対

〇イオン結合

イオン結合は、金属原子と非金属原子が結合する際の結合様式です。非金属原子は金属原子と比較して電気陰性度がとても大きいため、金属原子は電子を奪われて陽イオンに、非金属原子は電子を受け取って陰イオンになります。その間に生じる静電気力による結合をイオン結合と呼びます。

〇金属結晶

金属元素は電気陰性度が小さく、電子を引き付ける力が弱いため、金属元素の価電子(の一部)は自由電子として金属元素間を自由に動き回ることができます。この自由電子による結合を金属結合といいます。

2. 結合の種類による物質の特性

2-1. 分子結晶と共有結合結晶

分子結晶と共有結合結晶はしばしば混同されてしまうことがあります。
ここでは、二つの違いを理解していきましょう。

分子とは、いくつかの原子が共有結合によって結合した粒子です。この分子がさらに分子間力(ファンデルワールス力)という弱い力で集合し、規則正しく配列した結晶を分子結晶と呼びます。分子結晶には、固体から直接気体となる昇華性を示す物質があります(例:ヨウ素 I₂ ドライアイス CO₂ ナフタレン C₁₀H₈ など)

一方、共有結合結晶とは共有結合により、多数の原子が規則正しく配列してできた結晶のことを指します。

つまり、分子結晶と共有結合結晶は「構成単位が分子か原子か」という違いがあります。
以下にその他の違いをまとめておきましょう。

黒鉛(C)は電気伝導性が高いことに注意

分子結晶共有結合結晶
構成粒子分子原子
はたらく力分子間力共有結合
電気伝導性極めて低い一般に低い(※)
融点一般に低い高い
性質柔らかい硬い

2-2. イオン結晶

多数の陽イオンと陰イオンがイオン結合により規則正しく配列した結晶をイオン結晶といいます。

一般にイオン結晶は硬く、融点が高いが割れやすくもろいという性質を持ちます。
これは、結晶内の位置関係がずれると、イオン同士が電気的に反発してしまうためです。

さらに結晶状態では電気伝導性が低いが、融解させたり、水溶液を作成したりすると電気伝導性が高くなります。これは、結晶状態では電荷の運び手がおらず、液体状態では電離によりイオンが自由に動けるようになるためであると覚えておきましょう。

2-3. 金属結晶

金属結晶は、多数の金属イオンが金属結合により規則正しく配列した結晶を指します。また、粒子が規則正しく配列している状態を結晶不規則に配列している状態を非晶質(アモルファス)といいます。

金属結晶には、金属光沢があり、電気伝導性・熱伝導性が高く、たたくと薄く広がる展性・引っ張ると長く伸びる延性という性質を持ちます。
これらの特性は自由電子の存在によるものです。イオン結合とは異なり、変形しても結合が切れないのです。

また、融点はさまざまで、一般に典型元素と12族の遷移元素の金属結晶は融点が低く、3~11族の遷移元素の金属結晶は融点が高いことも覚えておきましょう。

まとめ

今回は、化学結合の種類や特性の違い、物質の性質について整理しました。これらの知識は、融点の比較が必要な問題や物質の性質についての知識が問われる問題で役に立ちます。

今回学んだことを繰り返し復習して、無機化学を得点源にしていきましょう。

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