今回は高校有機化学における「アルキンからの反応経路図」をまとめました。
アルキンとは、$C_nH_{2n-2}$ で表される、分子内に炭素間三重結合を1つもつ鎖式不飽和炭化水素の総称です。
「何が」「どんな反応を介して」「何になるか」をおさえることで、入試の有機化学問題をスムーズに解くことができるようになります。
また、反応経路図だけでなく、覚えておきたい知識もまとめていますので、普段の勉強にもご活用ください。
アルケン(エチレン・プロペン)からの反応経路図はこちらから高校有機化学:覚えたい反応経路図【アルケンからの反応】
1. アセチレンが開始物質の反応経路図

アセチレンは、パラジウム触媒などを用いて水素(H₂)を付加し、エチレンとすることで、前回(高校有機化学:覚えたい反応経路図【アルケンからの反応】)学んだ反応経路図に移行することができます。
2. 必須知識まとめ
この章では、先ほど学習した反応経路図をより深く理解するために必要な知識をまとめていきます。
2-1. エノール体とケト体
エノール体とは、C=C結合にヒドロキシ基(-OH)が結合した構造で、一般に不安定であるという特徴をもちます。
このエノール体のヒドロキシ基(-OH)からH⁺が電離し、分子内移動を経てC=O結合を含むケト体が生じることを転位といいます。
今回の反応経路巣においては、アセチレンにH₂Oが付加したビニルアルコールがエノール体、そこから転位により生じたアセトアルデヒドがケト体です。
2-2. ジエン系の付加重合
ジエンとは二重結合を二つ持っている炭化水素を指します。
ジエン系の単量体の付加重合には1,2-付加重合・3,4-付加重合・1,4-付加重合の3タイプが存在しており、この中でもシス型の1,4-付加重合タイプのみがゴム弾性を示します(ジエン系ゴム)。

2-3. けん化とは
エステルをNaOHのような塩基と加熱することにより起こる不可逆的な加水分解のことをけん化といいます。
(エステル) + (塩基) → (カルボン酸ナトリウム塩) + (アルコール)
まとめ
今回はアルキンの反応経路図を紹介しました。
反応の流れを体系的に理解しておくことで、問題文中のキーワードからどんな反応が起こっているのかを読み取ることができるようになりましょう。
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