英文法・不定詞の3用法を完全整理|見分け方と頻出表現を例題付きで解説

不定詞(to + 動詞の原形)は、高校英文法の中でも
「なんとなくで処理されやすいが、実は英文解釈のカギになる文法事項」です。

特に入試英語では、

  • 不定詞の 3用法(名詞・形容詞・副詞) を正しく見抜けるか
  • どの語を修飾しているのかを構造的に説明できるか

で、長文読解・英作文・文法問題すべてに差がつきます。

この記事では、

  • 不定詞3用法の本質的な見分け方
  • 入試で頻出の重要構文・表現
  • 実際の例題を通した判断プロセス

を紹介します。

目次

1. 不定詞とは

不定詞とは、

to + 動詞の原形
(to do の形)

で表され、「名詞・形容詞・副詞」の 3つの役割(用法) を持ちます。

重要なのは、
👉 意味よりも「文中で何の働きをしているか」
を見抜くことです。

2. 不定詞の3用法まとめ

用法役割訳し方
名詞的用法主語や補語、目的語になる(名詞の働き~すること
形容詞的用法名詞を修飾
形容詞の働き
~するための
副詞的用法動詞・文全体を修飾
副詞の働き
~するために/結果として~

3. 名詞的用法

3-1. 名詞的用法の基礎

名詞的用法の不定詞は、主に「~すること」と訳し
主語(S)・目的語(O)・補語(C) の位置に置かれます。

例文① 主語の位置にある名詞的用法

To study abroad requires strong motivation.

和訳:
留学することには強い動機が必要だ。

例文② 目的語の位置にある名詞的用法

I decided to change my study method.

和訳:
私は勉強方法を変えることを決めた。

decide(~を決める)は他動詞であり、後ろには目的語となる名詞が必要です。
よってここでは、 to change my study method が目的語の役割を果たしていると考えることができます。

例文③ 補語の位置にある名詞的用法

My goal is to become a teacher.

和訳:
私の目標は教師になることだ。

補語(C)は文中において、主語(S)や目的語(O)の状態や性質(動作)を表す言葉であり。第2文型においては主語と、第5文型においては目的語とイコールの関係に当たります。
今回の例文(第2文型)では、 My goal (私の目標)= to become a teacher(教師になること)が成立しているため、補語の役割を担っていることがわかります。

英語の文型について学びたい人はこちら中学・高校英文法|5文型を徹底解説

3-2. 名詞的用法の見分け方

名詞的用法の不定詞は、基本的な英文構造に欠かせない主語(S)、目的語(O)、補語(C)の役割を担っているため、「to do がなくなると文が成立しなくなる」というのが、大きな特徴です。

4. 形容詞的用法

4-1. 形容詞的用法の基礎

形容詞的用法の不定詞は、「~するための」「~するべき」と訳し、名詞の直後に置かれることで
直前(または意味上)の名詞を説明します。

例文①

I need something to drink.

和訳:
私は飲むものが必要だ。

something(何か)は名詞であり、その直後に to drink がおかれることで、something に飲むためのものであるという説明を加えています。

例文②

He has no time to relax.

和訳:
彼にはリラックスする時間がない。

先ほどと同様、 time の直後にある不定詞がどんな time なのか(リラックスするための)と説明を加えています。

例文③

This is the best way to solve the problem.

和訳:
これがその問題を解く最良の方法だ。

4-2. 形容詞的用法の見分け方

形容詞的用法を見分けるポイントは、「直前の名詞にむかって修飾の矢印が見えるか?」です。直前の名詞の説明を担っているならば形容詞的用法の不定詞と判断してよいでしょう。

5. 副詞的用法

5-1. 副詞的用法の基礎

副詞的用法は、

  • 動作の 目的
  • 結果
  • (感情の)理由

を表します。

また、副詞として働くので、不定詞の部分を隠しても(なくしても)文章が成立することも特徴です。

例文① 「~するための」と目的を表す副詞的用法

He studied hard to pass the exam.

和訳:
彼は試験に合格するために一生懸命勉強した。

✅ why did he study hard?
→ to pass the exam と答えることができるため、目的を表す副詞的用法だと判断することができます。

例文② 結果を表す副詞的用法

He grew up to become a famous scientist.

和訳:
彼は成長して有名な科学者になった。

成長して(その結果)有名な科学者になったと読み取ることができます。

例文③ 感情の原因・理由を表す副詞的用法

I was surprised to hear the news.

和訳:
私はその知らせを聞いて驚いた。

かんっ場を表す形容詞の直後にくる不定詞はこの用法であることがほとんどです。

5-2. 副詞的用法の見分け方

文全体を見て「付け足し情報」になっている。つまり文構造の骨格には関与していない(SVOCではない)ため、消してしまっても文章が成立することが特徴です。

形容詞的用法でも同様のことが言えますが、形容詞的用法ではさらに直前の名詞を修飾しているかどうかという判断基準があるので、分けて考えることができます。

まとめ

今回は、中学・高校英語において特に重要な英文法である「不定詞」について解説しました。

  • 不定詞は 名詞・形容詞・副詞の3用法
  • 見分け方は「意味」ではなく文中での役割
  • 消せるか?修飾している名詞は何か?
    文の骨格を崩さないか?

この視点が身につくと、
英文解釈・長文理解のスピードが一段階上がります。

英語の他の文法・長文読解についてや他の科目の勉強法についてもっと体系的に学びたい人はこちら

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